沖縄スパイ戦史 映画 ネタバレ注意

第2次世界大戦末期の沖縄戦の話。

当時のアメリカ軍が撮影した映像が出てきます。
その映像は2014年の映画「野火」を思い出しました。
全体の構成は3部として観ました。

前半は少年兵について。
戦争で少年兵が闇雲に戦いに連れ出されることはよくあることだと思っていたので驚きはありませんでした。
ただ、沖縄の10代の少年が命を落としていくのはやりきれない思いです。
指揮官も20代前半だったでしょうか。

中盤は戦争マラリアについて。
波照間島などで強制疎開が行われて、住民がマラリアで命を落とした話です。
この話は以前から知っていましたが、これもやりきれない思いになります。

終盤は同士討ちについて。
直接的な戦闘のなかった北部では同士討ちがあったという話。
戦争の極限状態から周りの人間を信用出来なくなり、スパイだと疑いをかけると証拠がなくても殺してしまったそうです。
元々の住民同士が行ったので、戦後も話が表に出てくることは少なかったようです。

感想としては、軍は目的達成を目指すが、その手段を国民が確認する必要があるのかな。
つまり、住民が同士討ちを始めてしまっても、敵国に情報が渡るぐらいならば殺し合いをしてくれた方が目的達成の為には都合が良いと軍は判断する。
国民、住民が考えていることと、軍の目的は必ずしも一致しないということ。
現在の自衛隊も日本にもしも武力攻撃が行われた場合、自衛権を行使するはずです。
その時に相手の武力侵攻を阻止することと、住民を保護することをどのように自衛隊は両立させるのか。